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2024年3月2日スタッフブログ

模倣と創造

(あ、そんな難しい話じゃありませんので念のため・・・笑)

お位牌を仕立てるのも弊社の大事な仕事の一つです。
様々なお問い合わせをいただきますが、その中でも返答に困るのがこれ↓↓↓
「(スマホの画面を指しながら)このネットサイトのお位牌はどういった品物ですか?」

えーと・・・・わかりません!

私も一応本職ですから何となくその商品の素性は推測できます。でも確定的なことは言えないのが正直なところです。お客様はその商品の「素性」とともに「価格」も気になるところでしょう。中にはべらぼうに安いものもあります。なぜ安いのか?大量に仕入れたアウトレット品なのか?それとも材料費や製造費を極限まで切り詰めた品物なのか??

以前ネットで見つけたものの中には明らかに「プラスチック製品」もしくはそれに準ずる樹脂製品と思われるものがありました。通常の市販品の模倣品といってよいもの。非常に造作が甘い。これは成型時の金型の品質によるものと思われます。また、通常金箔を施すべきところは、金色のペイントを吹き付け(スプレー)で仕上げてありました。私どもには何となく違和感がありますが、一般の方にはわからないでしょう。
模倣は決して悪いことではありません。「見習い」という言葉があるように見様見真似でいろいろ試行錯誤を重ねて技術を高めることはむしろ尊いことです。ただ、この位牌に関しては「儲け主義」の片鱗がちらほら見えるのです。多分この商品を作っている人はこれ以上の品質をリリースすることはないでしょう。それをやったらコストがかかり儲けが減りますから。そう思うとなんだか悲しくなります。

模倣から自分なりの独自性を創造して高みを目指す。伝統産業はそうやって長い年月をかけて他にはないものを生み出してきました。ただ、現在はそれを正しく評価する気風がだんだん薄れていっています。我々のような小売業者には「ちゃんとした技術で作られたものをアピールする」使命もあるのかな・・・モノがあふれている時代にはそういった気概も必要なのかもしれません。