・食欲
・財欲
・色欲
・名誉欲
・睡眠欲

いろいろな文献を拝見しますと仏教で説く「欲」には上記5つがあるそうです。この中で「ある程度満たさないと生きていけない」のは食欲と睡眠欲でしょうか。
タチが悪いのは、我々の生活の中でこれらが複雑に絡み合い増幅しているケースが多いってことかもしれません。

最近のニュースを見ておりますと、特に「財欲」「名誉欲」に起因するものが多いように思います。

お金が欲しいから人のものを奪っちゃえばいい・・・という強盗や振り込め詐欺＆その他の犯罪者。
お金が欲しいからお客の車をわざと傷つけて高い修理金をせしめる中古車販売業者
自分の地位を安泰なものにするために国家の憲法や法律まで変えてしまう政治家
地位を脅かす対抗する勢力や人間を蹂躙して生命まで奪う独裁者

まあここまで極端なのは相当なもんですが、実は我々の生活の中にもこういったことは潜んでいるように思います。

人生60年近く生きてきましたが、しみじみ思うのは「人の欲にはきりがない」ということです。若いうちに食べるにも困るような生活をした時期もありましたので、そこから解放された時の安堵というのはいまだに忘れられません。しかし、人並みの生活ができるということに喜びを覚えると、そこから「もうちょっと贅沢したいなぁ」と思うのもまた人間です。そういったことにあっという間に飽きてしまって「もう普通の生活できればいいや」と悟ることができたのは幸運でした。

本当に必要なものを必要な時期に手に入れることができればそれが一番幸せだと思います。欲しいものを次から次へと手に入れたって終わりはありません。本当は普通の品でいいのに無理して高級品に手を伸ばすのは実は不幸なんじゃないか、必要でもないのに次々に収集するのは無駄なんじゃないか・・・「変わり者」と言われることもありますが、このスタンスは一生変わらないんだろうなと思います。

お店に来られるお客様に無下に高価な品物をお勧めすることがどうしてもできないのは、実は自分の考えによるものです。その方のご事情をじっくりお伺いして最適なご提案をさせていただく。そのことがお客様のためであり、自分のためでもあるのだと信じたい。目先の利益に踊らされることなく、今後も地味～に仕事を続けてまいります。