このホームページにも項目が掲載されておりますが、弊社では「お仏壇のお引き取り」も業務の一つとして承っております。もともとは「新規仏壇への買い替えに伴う旧仏壇の引き取り」というケースがほとんどでしたが、ここ10年くらいは「旧仏壇のみの引き取り・処分」のご要望が目に見えて多くなっておりました。

一番ピークだったのは5～6年前だったでしょうか。これは京都独特の事情でしょうけど「一般の民家を民泊に改装してインバウンド需要に対応する」ことが大きな要因だったと思います。「とにかく早く引き取ってほしい」とのご連絡が相当数に上りましたが、その後のコロナ禍の時期にはこの流れも一段落しました。

コロナ明けに一時また件数が増加した「旧仏壇単体のお引き取り」の話は、最近はコロナの影響が社会に対して限定的であるにもかかわらず、本当に少なくなりました。私が考えるに、この現象はいくつかの理由によるものと考えております。

多分ですが、一番大きいのは「金価格の上昇」ではないかと。ネット検索をすると「金仏壇の買い取り」を謳う業者様方のサイトが数多く出てきます。ウクライナ情勢が不穏であることで金価格は急騰しています。1グラム1万円を突破したことはニュースにもなりました。「不要になったもの」は労力とお金をかけて処分・・・というのが定石なのにまさか換金できるなんて！という方も少なくないと思われます。コンプライアンス上、我々仏壇業界に身を置く人間としては買取などできるはずもないので、そういった買い取り業者様のところは忙しい。そしてこの業界に来る仏壇引き取りの話は減っているのでしょう。

もちろん、引き取りの事例がいったん落ち着いたせいで件数自体が減っていることも影響していると思われます。また仏壇引き取りの専門業者様が乱立したことで、こういった話が「販売業者」である我々のところへ来なくなったということなのかもしれません。

いずれにしろ、われわれは「仏壇・仏具の販売」を生業としています。こういった引き取り単体の話が減ったことはむしろ、健全な状態に戻ったといえるかもしれません。もちろんお困りのお客様に寄り添ってお引き取りも喜んでさせていただきますのでお問い合わせください。

仏壇の小型化・簡略化の流れは止められないと思いますが、それでもお客様方に寄り添って販売業務を継続していくことが何より大事と考えます。