新着情報
2025年12月13日スタッフブログ
なにもしないこと
「黄 長燁(ファンジャンヨプ)」という人物をご存じでしょうか?この人はかつて実質的な北朝鮮ナンバー2の地位にあったといわれており、金一族の独裁体制のもととなる「主体思想(チュチェ思想)」の根幹を生み出したことで知られております。
しかし金日成の本質を知るに至り失望し、また権力闘争に敗れたのちに一族を祖国に残したまま彼は脱北します。その後韓国の首都ソウルで当局の厳重な警護のもとに晩年を過ごし、87歳の人生を全うしたといわれています。まあそれなりの暗い過去もあったと思いますが、彼ほど北朝鮮の内情を知っていた人物はほかにないでしょう。この人のインタビューを昔ですが見たことがあります。彼はこの中で「北朝鮮という国をなくす、もしくは体制を崩壊させるためにはどうしたらいいか?」という問いに一言でこう答えています。
「なにもしないことだ。あの国は諸外国の援助なしには成立しない。」
「あえて言うなら国境付近に難民キャンプを作って脱北を促す運動をすればよい」とも言っていたように思います。
今、首相の台湾問題に関する発言により中国は態度を硬化させているように見えます。主に観光客の渡航を自粛するように呼びかけ、実際に航空便のキャンセル等も起っていると聞きます。しかし実際はどうでしょうか?中国国内は不動産バブルがはじけ、街には若い失業者が数多くいるようです。諸外国資本の工場や事業所が経済を一定以上支えている現状であまりこれ以上の刺激をするのは得策ではないと考えているように思います。かつて中国国内の日本資本のデパートや企業が物理的に攻撃されたことを考えると、今回はそう言った事象が見られないことがその証左かと思います。
京都の町中には中国人が少なくなったというもっぱらの評判ですが、昨日業務で訪れた某所には中国語が結構な頻度で聞かれました。台湾からの方々も含まれていたのでしょうか?
やはり一人の人物による独裁下にある共産主義国家については共通したアキレス腱みたいなものが存在するような気がしてなりません。一人の人間の能力というものには限界があります。まあ北朝鮮と中国では国力に膨大な差がありますし、一概には比べるべくもないことは承知しています。しかしそれでも「3人寄れば・・・」のたとえを持ち出すまでもなく極端な一方向に向いた国という大きな船がどういう状況なのか、じっくり見きわめたほうがよさそうです。
なにもしないこと・・・軍事的な挑発行為には対応するべきでしょうけど、それ以外は今は静観が一番良いのではないでしょうか。
Facebook
Twitter
LINE