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2022年7月23日スタッフブログ
ものを買うということ
個人事業主ですので所有する車は業務用でもあり、自家用でもあります。今の車を長年使ってきましたが、諸事情によりやむなく買い替えることになりました。普通こういうときに世のお父さん方は「どれにしようかな~♪」的なワクワクした気持ちになられると思うのですが、私の場合は業務に使用することが多いので選択肢は本当に限られます。結局、今の車と全く同じものを再度購入する運びに。10年以上いまだに変わらず販売されていることにも驚きですが、私としては運転の感覚が体になじんでいるのでむしろ助かったなぁというのが正直な気持ちです。
昔からそうなのですが、物欲というものがあまりありません。使用頻度が低いものはよほどでない限り買わない。身を過剰に飾るものは必要ない。あれこれ買い替えるよりもとびきりいいものを1つ買って長く使う方が合理的。現に私自身の部屋は家人曰く「物がなさ過ぎて落ち着かない」くらいに素っ気ないらしいです。
今回も必要最小限のオプション(ETCとバイザー、フロアマット)で済ませました。ほかのものはどうせ使わん(役に立たん)のだから欲張っても仕方ないのです。それよりもこの10年余りの間に安全性に配慮した衝突回避機能などが標準で付与されていることに驚きました。これこそ本当に必要な機能です。
「ものを買う」のは必要に駆られてのことでなければならない・・・常々私はそう考えています。
仏教には「殺生」という概念がありますが、「殺生するなかれ」という教えに自分自身、身近なものを感じます。「命を生かす」=「ものを活かす」というのはそういうことではないかと。
まあ、偉そうなことを申しましたがこれには内面的な理由もあります。
冒頭で申しましたように物を買うまでの時間には、選んでいる間のワクワク感や手に入った時の高揚感が存在するように思います。そのあと自分のものになったことの満足感や充実感で幸せを感じることも事実です。ただ、若いころの私はそのあとで後悔することもありました。「これ、本当に必要だったんだろうか??」・・・そこからは「しまった」という失望が伴うこともしばしば。現在は、ものを購入するときにはこの一定のプロセスを自分の頭の中でシミュレートしてみることにしています。そうすることで「必要か否か」が見えてきます。
お客様に商品をお勧めする際も「これは必要ないですよ」とあっさり申し上げることがあります。お客様の事情をじっくりお伺いすると必要・不必要が見えてくるからです。もちろん、高額な品物を大量に買っていただいた方が利益も上がりますし商売上は良いことではあります。しかしそれは商売の本質からは離れた、売る側のいっときの「欲」でしかないのです。「本当に必要なものをお勧めする」・・・これは自分の半生を通して得られた商売人としての信条でもあります。