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2025年7月12日スタッフブログ

品揃え

弊店は小さな店です。商品については仕入れ先も含めて十分吟味をして品ぞろえにも気を使っているつもりです。しかし悲しいかな展示スペースも限られますし、「なんでもありますよ~」的な大風呂敷を広げることはできません。

一昔前、店でよく聞いたのは「壁を見せたらあかん!」という言葉。要は仏壇をはじめとする取り扱いの品々を、背面の壁が見えないほどぎっちぎちに詰め込んで展示しようということです。「ないものはない!というくらい仕入れとかなあかんのや!」・・・高度成長期からバブルにかけてであればこの考えもあながち間違いではなかったかもしれません。品物を調達する余裕も十分にあったでしょうし、もちろんそれらの品々が一定以上の割合で売れていきましたから。

しかし棚卸の時などによく見てみると「あれ?今年もこの品物残ってるな・・??」というものもありました。売れないのには当然理由があります。サイズが大きすぎ、デザインが奇抜で変、高額すぎる、見た目がしょぼい(笑)、時代に合わない(古めかしいor斬新すぎ)、そもそも機能として商品の需要がない・・・・。私が会社を引き継いだ時に、そういう品々の一定以上は譲渡や処分となってしまいました。

現在でこそ主流となっている家具調仏壇ですが、20年以上前、この種の商品が出始めたときには相当に多種多様な品物がリリースされました。業界内に昔から籍を置いておられた人たちは「こんなの仏壇じゃない。売れるわけない」と一蹴しておられたのも記憶にあります。ただ、その中でも機能的な面でちゃんと考えられて企画されたものが洗練されて生き残った感があります。

我々業者向けの展示会、というのが定期的に行われています。最近特に思うのは「家具調仏壇のデザインも似通ってきたなぁ・・・。どの品もそんなに変わらなくなってきた。」ってことです。これは決して悪いことではなく、むしろ市場が成熟してきた証拠でしょう。

正直なところ、お客様のご要望やこだわりを可能な限り実現するには、自分の店の展示品だけは限界になってきたように思います。今はやりのネット販売の強みは品揃えです。しかしその多種多様の品揃えの中から、お客様がご自分の事情にマッチしたものを選択するのは相当な知識と労力が必要になります。我々の知識や経験を生かして、流通している数多の手法や品の中から最善の提案をしていく。会社として生き残るには難しい時代ですが、もう少し頑張ってみる価値はあるのかな、と思っております。