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2022年10月15日スタッフブログ

対応地域について

私が店を手伝うようになった4半世紀前、お客様の大半は京都市内の方々でした。その地で生まれ育ち一生を終えられたお身内の方々のご供養にとお仏壇やお位牌・仏具を購入していただきました。「世襲制」とまではいかなくても次の世代の皆様も市内の方がほとんどでしたので弊社は「京都の中で商売をしていた」と言えるでしょう。

様子が変わってきたな・・・と感じるようになったのは今から10年ほど前くらいでしょうか。京都市外にお住いの方々が親御さんのご供養にと弊社をお訪ねいただく機会が徐々に増えました。当然市外へ納品。同時にこのころから「お仏壇のダウンサイジング」も始まったように思います。そして「金仏壇」の需要が減り、「唐木仏壇」も「家具調仏壇」にとってかわられることが多くなりました。時は流れて・・・現在は「家具調の上置き用仏壇」の需要が本当に多くなっています。和室や仏間の無いご家庭がほとんどである以上、この流れは必然とも言えます。

インバウンドで沸いていた3~4年前まで、京都市はホテルや民泊の誘致・建設に注力しました。結果としてマンションよりもホテルが立ち並ぶこととなり、子育て世代を中心とした若い世代が住める場所を奪ってしまった感があります。ぶっちゃけ、「マンションや土地の値段が高すぎて住めない」ということです。そのせいで長岡京市・向日市・要田辺市・大津市や草津市(滋賀県)に人口が流れたのでしょう。弊社の納品先にこういった周辺地域が増えたのも決して関係がないわけではないと思っています。

「大きな仏壇を引き取り」
「コンパクトな仏壇を郊外へ」  今後もこの流れは続くと思います。

この流れが一段落したとき次のフェーズはどうなるのか・・・正直全く読めません。ただ、このままではいられないことだけはわかります。「売れた」「売れなかった」という一喜一憂を繰り返している場合じゃない。仏壇・仏具業界にとって厳しい方向に世情が動いた場合を考えることも必要なのかなと思っています。

とりあえず今日は朝から納品です。片道数百km。郊外どころか遠隔地です(笑)。最近はこういうお話をいただく機会も増えました。どんな引き合いにも柔軟に対応してまいります。