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2024年2月10日スタッフブログ

店頭販売の意味

ネット通販全盛の時代です。欲しいものは下手すりゃその日のうちに届きます。しかも各サイトで価格比較ができるので安価に手に入ります。

仏壇・仏具だって同じことです。簡便さと安さでいえばネット通販は我々小規模店が太刀打ちできる相手ではありません。ただ、それでも我々の存在意義はあると個人的には思っています。

1つ目は現物を確認して購入したいお客様が一定数おられることです。
常々申し上げておりますのは、「ネット画像と実物には人間の抱く印象が違う場合がある」。写真や画像が非常に美しく出来上がります。そりゃそうです。販売用にきれいに撮影するわけですから。ただ、実際の質感や色目などは見てみないとわからないことが多いのです。「じゃあ、取り寄せるだけ取り寄せて気に入らなきゃクーリングオフで返品すればいいじゃないか」・・・おっしゃる通りです。ただ、その手間が非常に煩雑だったりします。加えて商取引法では「返品不可」をあらかじめ販売時に掲げておけばクーリングオフにはさらに障壁が大きくなります。

2つ目は商品が高価であること。
最近はコンパクトでお求めやすい上置き用仏壇が主流ですが、それでも数万~数十万と価格帯も広く世の中の市場の理屈からいうと高価で、購入するには一定のリスクがあります。そんなものをポチッと一発で買っていいのかどうか・・・まあこれはお客様のお考え一つかもしれませんね。

3つ目は品物の性格上の問題です。
ぶっちゃけ言いますと、特に仏壇には仏事がかかわってきます。葬儀やその後の法事、寺院様とのお付き合いや納骨など普段は知る由もない事柄が山ほど出てきます。その辺をどう解決してゆくのかはやはり専門知識が必要となります。正直、宗旨宗派によっても地域によっても寺院様方のお考えによってもその後のやり方に相違が出てきます。そこをフォローできるのが我々専門の業者です。京都には多数の本山や寺院様がありますので、我々にも自然と知識や情報があれこれ入ってまいります。そういう意味では仏壇・仏具は「ただ買えばいい」というものでもないのかもしれません。

「品物を販売して納品する」のは仕事の半分以下、半分以上は仏事に関するご相談を解決したりその後のフォローを行うことだと思っております。店においでになるお客さまの中には「ご相談だけ」の方も多数おられます。それがゆくゆく何かのご縁でつながることもありますし、「袖すりあうも他生の縁」なのだと思います。