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2021年9月25日スタッフブログ

接客の心がけ【小さな傘でも】

世界で1番大事な人が
いなくなっても日々は続いてく
思い出せなくなるその日まで
何をして何を見て
息をしていよう・・・   (「思い出せなくなるその日まで」 by backnumber)

20数年前、実父が亡くなりました。

食道に癌が見つかった時にはすでにステージ4。
体のあちこちに転移や浸潤が始まった状態・・・手術で声を失い、やせ衰えていくのを亡くなるまで見守ることしかできない1年でした。葬儀やその後の手続きなどで奔走したのも、今では遠い昔のことです。見送って10年くらいまでは父が夢の中に出てきたりしたものですが、それは私の深層心理の為せる事象でした。

このような仕事をしておりますとなおさら、人の死は決して遠いものではなく身近なものなのだと思い知らされます。ご来店のお客様方には身内を亡くされた方も多くおられ、お位牌のご注文をはじめ仏壇仏具のご購入もしていただいております。

ただ受注をして右から左に品物をお渡しするのでは、決して良い仕事をしたとはいえません。
できるだけ踏み込んだ個人情報などには触れないように細心の注意を払ってはおりますが、ご家庭の事情まで踏み込んでいかないといけない場合もあります。同時に故人の思い出話などをお聞かせいただくこともあります。

お客様によってはまるで思いのたけをぶつけるように長時間お話をされて行かれる方もおいでになります。そういうときにハッと気づかれて「すみません長居してしまって・・・。」などと気を使われると却って恐縮してしまいます。
私は「お客様のお話を聞く」ことが接客をするうえで非常に大事な仕事の一つだと考えます。人は「話す」ことで自分の考えを整理しているのだ、となにかの本で読んだことがあります。話を聞いてくれる人がいることで、人は考えだけでなく気持ちの整理もつけているのかもしれないですよね。徳のない無粋な人間ですが、お客様のお話を喜んで聞かせていただきます。これからもこの姿勢を変えずに毎日仕事をするよう心がけてまいります。

幸せとは 星が降る夜と眩しい朝が
繰り返すようなものじゃなく
大切な人に降りかかった雨に傘を差せる事だ・・・   (「瞬き」 by backnumber)


お客様は私共にとって本当に大切な方々です。それは私どもが生業をなす上で大切・・・いうことだけではありません。お客様が涙の雨に濡れておられるとき、私どもの小さくて粗末な傘が少しでもお役に立てるのならば、何よりありがたく幸せなことだと思っております。