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2024年12月14日スタッフブログ

敵と味方

先代から会社を引き受けたのは5年近く前になります。すでにコロナが猛威を振るい始めており、高年齢の方々のみならず多くの方々が命を落としていた・・・そんな時期でした。経済はストップ~後退し会社の行く末の見通しも立たない中で「これからどうやっていこう??」と思い悩んだ時期でもありました。

会社員を辞めてこの業界に20年以上籍を置く中で何となくぼんやり分かったことがあります。それは

自分にとっての敵をなくし味方を増やす

ことが理想的だ・・・ってことです。

「商売敵(しょうばいがたき)」という言葉があります。張り合っていく存在としての意味もあるのでしょうけど、これは文字通り相手を「敵」とみなしているわけです。昔気質の商売人さんたちは同業の人たちに負けないように一所懸命がんばってきたのでしょうね。時には相手の動向をうかがいながら自分の店のポジションを確認し、今後の動き方を決めていたのでしょう。うちの先代の時代もまさにそんな時代でした。

しかしこれは平凡な会社員だった私には非常に違和感のある考え方でした。会社勤めの時代は設計業務に携わっておりました。「自分で方針を決めて工夫をし試行錯誤をする中でアイデアを構築する」のが当たり前だと思っていましたので、カタキ作って張り合うなんて「そんな無駄な労力要らんでしょ?」というのが正直なところ。でも「そういうアンタは本当の商売人じゃない」とお言葉もいただくことしばしば(笑)。

もう一つ、この業界で過ごしている中で気づいたことがあります。どんな仕事でもそうなのですが「易々とその場限りだけで儲けてやろう」と思っている人間は自分にとって実害以外の何物でもないということ。そういう人間は彼らと似たような人間とのコネが濃厚なので、なにかと面倒なトラブルに巻き込まれがちです。これも見方によっては「敵」といえるかもしれません。

翻って、将来を見通して実直に仕事をする人間のほうが長い付き合いができます。そういう人が困ったときにはこちらの力を貸そうと思いますし、自分が手を貸してほしい時には頼りになる存在になってくれます。これをして「味方」というのだろうなぁと信じております。もちろんお互いにとってメリットがデメリットを超えてこないとビジネス上の付き合いというのは成立しません。そこが一番難しいところでもあります。

先々代の祖父は「品物を仕入れて売って・・・だけで安心したらあかんで。自分の顔と店の信用を売りこんでおいで。」といつも私に申しておりました。今になってみると目先の売り買いではなくもっと大きな観点で物事をとらえなさいということだったのかなと思います。

自分がちゃんとしていたら、襟を正した人が味方になってくれる。そう思って日々を過ごしております。