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2024年11月30日スタッフブログ

目先の欲

この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることもなしと思へば

今年のNHKの大河ドラマでも登場する藤原道長公の句といわれております。現在では様々な解釈があるようですが一般的に言われているのは下記のような内容です。

この世は私の思うままだ。欠けているところのない、あの満月のように完璧なものだと思う。

彼は知略智謀を巡らせながらひとつづつステップを踏んでこの上ない高みまで上り詰めました。娘たちを天皇に嫁がせ、そこで生まれた自分の孫は宮家の世継ぎ。実権は自分の手の中にあると思っても決して間違いではなかったでしょう。まあここまで極端なのはさておき、自分が生きていく中でどこまでのレベルを求めるか・・・これは人それぞれだと思います。ただ、そこに至るアプローチの仕方が問題かなと。

私は仕事には向上心やこだわりをもっておりますが、自身の実生活については向上心や欲を持たないように心がけています。私情として「もうちょっと儲けてやろう」とか、毎日生活していく中で「こういうものが欲しいなぁ」などと思わないようにしております。できれば健康で最後まで仕事に携われたらそれでいいと思っております。

「いいかっこしぃ」しているわけではありません。目的のために努力することは重要なのですが、最近の世の中を見ていると病的なくらい性急に結果を求める傾向があり、それがひずみというか無理を生み出しているように思えるのです。そういった事象を見ているとこの手の「欲」というのは危険なのではないかと。

たとえば「お金が欲しい」・・・じゃあどうしましょうか?起業しましょうか?条件の良い仕事に従事しましょうか?

ここで「高額なバイト→犯罪行為」に落ちるには当然主導した人間側の責任が重大ですが、そんな儲け話を何の苦労もなくスマホ1ヶで探そうとする安直さが危険だなぁと思うわけです。もちろんスマホが悪いわけではありません。ちゃんとした下調べをしたりするツールとしては便利でしょう。ただ、安直な検索で安易に大金を手に入れようというのは何の努力もしない前提ですから危険です。それはただただ結果だけを求めています。

バイト探しをする人だけではなく、会社勤めをしている方々についてもそういった事件は目にします。銀行の行員が顧客の財産(億単位らしいですが)に手を出した、という事件が最近ありました。これも「お金を手に入れる」ことを安直に考えた結果でしょう。

じっくり構えるにはそれなりの予測力というか先を見通す力が必要になります。道長公とまで行かなくても成功を収めた先人はどのように物事を考え実践していったのか・・・今の時代を生きる方法は歴史が教えてくれるのかもしれません。