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2025年3月29日スタッフブログ

祖父の遺した言葉

「品もんだけ売ってきたらあかんで。店の信用と自分の顔を売り込まなあかん。」

亡くなってもう10年は経つ、祖父がいつも申しておりました言葉です。「そんなんわかっとるわい」とうっすら思っておりましたが、今こうやって会社を引き継いて切り盛りしているとこの言葉が身に染みるような気がします。

祖父は色々な伝手を開拓し、後の世代につなげてくれました。苦しかったコロナの時期に店がどうにか持ちこたえたのは祖父が残した数多いお客様方とのつながりがあったからです。「この人、どこでどうやって仕事を取って来はるんやろう?」と半ば魔法でも見ているかのように呆れていた時期もありましたが、今はその偉大さが少しづつわかるようになりました。

世の中に仏壇屋はいまだ数多くあります。中小規模の店舗にとって独自性を出すのは非常に難しいのですが、そこを切り開いていかなければウチのような会社はなくなってしまうでしょう。今後はただ品物だけを売り込むのではなく、自分の会社が持つネットワークや技術で独自性を出す時代なのかもしれません。

最近、数件の「位牌の文字修正」のご依頼を受けました。以前このブログで文字修正について私が書いていたのを見つけてくださったお客様方です。ほかで断られた仕事のようですが、弊社では普通に対応可能ですので普通に(?)仕上げてお渡ししました。工程を説明しながら途中までお客様の目の前で仕上げていきましたが、なぜか相当に感激してくださいます。なるほど、文字の誤記をそこまで気にかけておられたのだなぁ・・・と肌で感じました。と同時にこの技術を習得しておいてよかったとしみじみ思いました。

これも独自性の一つなのでしょう。ほかにもいろいろなアイデアで様々な困難な業務を切り抜けてきた経験がなんとなく生きている場面が数多くあります。祖父が言うておったのはこういうことだったのかもしれません。

おじいちゃん、まあ何とかやっていますよ・・・今朝も仏壇の前でそうおまいりしてから業務に出かけましょうか(笑)。