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2025年12月20日スタッフブログ

野辺送り

ネットニュースで「最近、宮型の霊柩車を見なくなった」との記事を目にしました。そういえば60代の私が子供のころは当たり前だったこの手の霊柩車って見なくなりましたね。

古風な外観が敬遠されるのかと思いきや、実はそういうことでもないようです。
・葬儀場から斎場への移動が主流になったことで過剰な装飾が必要なくなった。
・家族葬や個人葬が増えた
・デザインが「強く死を意識させる」として近隣住民から苦情が出る。
などが理由らしいです。
物理的な理由はさておいて、このデザインで走っていると苦情が出るというのはいかがなものかと思います。

そういえばこんなことを聞いたことありませんか?
「霊柩車を追い越すと不吉なことが起きる」←亡くなった方への敬意から?それともおまじない?
「霊柩車を見たら親指を隠さないと親の死に目に会えない」←諸説あるみたいですが全く意味不明です。

「死」というものは誰しも皆避けて通れない道ではあります。まったく縁のない赤の他人さまの逝去であったとしてもこのように忌み嫌うのはいかがなものかと思います。

むかし何かの雑誌(多分自動車専門誌だったと思いますが)に霊柩車の運転手さんの談話が掲載されていました。やはり先に述べた「霊柩車を忌み嫌う」ような行為を車窓からずっと見てこられたそうです。その方がおっしゃるには
「自分の身内が不幸にあい悲しい気持ちで野辺送りをしているときに、他人様のあのような行為を見せつけられたら余計に悲しいしさみしい気持ちになるんじゃないでしょうか。」

そしてこの方はこう続けておられました。

「霊柩車を見たら忌み嫌うのではなく、せめて故人の冥福をお祈りしながら心の中で手を合わせるくらいの余裕があってもいいんじゃないでしょうかね?」

若い頃に読んだ記事でしたが、なかなか考えさせられるお話でした。