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2022年3月26日スタッフブログ

今あるものを活かす

「断捨離」という言葉が出てきたのはつい最近のことのように思います。仏壇や仏具についてもこの流れは一定件数以上ありまして、弊社でもできる範囲内で対応させていただいております。

ただ。

私が考えますになんでもかんでも「断捨離」するのもいかがなものか?と思います。結局それに代わるものとして新品に挿げ替えたりするケースも少なからずありますので、処分の際にはいったん冷静になってお考えいただく必要もあります。

先日お仏壇のお話を進めさせていただいたお客様は、今まであった仏具を新品に!という流れでしたがいざ拝見すると非常に念の入ったものでした。これはできる限り修復してお使いいただいた方がいいと考え、方針の修正をお願いいたしました。

もちろん、我々業者からすると新品を購入いただいた方が作業量は減りますし利ざやも見込めます。でも、そういう問題ではないと家人にも常々強く申しております。長年使ってきたものにはそれなりの思いや「念」のようなものを感じるからです。

皆さんはお仏飯をどのようなときにお供えされますか?また供えた後どうされておいででしょうか?ご法要の際には当然お供えされるでしょうけど、日常の中ではなかなかタイミングがまちまちだと思います。これは「ひと様用にご飯を炊いた時だけ供えていただく」ことをお勧めしています。また、お供えしたのちそのまましばらく(半日くらい)供えておく方も多くおいでになります。しかし私どもは「5分くらいでお下げください」と申しております。
これはすべて「炊いたご飯を無駄にしない」という考えに基づいています。誰も食べる当てがないご飯は結局おいしい状態では人の口には入りません。これはものを活かしていることにはならないと考えています。仏語に「殺生」という言葉がありますが、概念的にはそれに近いかもしれません。稲穂一本・お米一粒であっても、その命をいただくのですからおいしくいただくのがあるべき姿と考えます。

翻って、今あるものを「活かす」=「生かす」ことに他ならないのです。なんでも新しくするのではなく、古くても大事にする価値がある仏具を活かすことは大事だと思いますね。