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2021年5月10日スタッフブログ
仏具の修復について(納品)
仏壇屋だからといってお仏壇だけを手がけるわけでがございません。
時にこのような品物の修復をさせていただくことがあります。
お話を頂戴したのは数ヶ月前。明治時代の作と思われる非常に念の入った品です。
これは「お厨子」と申します。
お内仏やお位牌を安置するために作られることが多いのですが、非常に珍しい細工が施されています。
欄間には細かく細工された龍の彫刻品が鎮座しています。龍は昔からお寺の内陣を守るとされており、有名なものは天竜寺の天井に描かれた雲龍図など。よほどの思い入れがあって仕立てられたのだろうと推察されます。
このような小型の品物には珍しく「仏天蓋」と呼ばれる飾り物がついているのも独特です。天井に固定されていて分解しなければ修復できない構造でした。
修復後がこちら。
おかげさまで、お施主様にも喜んでいただきました。
このような特殊な品物についても弊店は対応可能です。是非ともお問い合わせください。
さて。ここからは私の備忘録としてのお話になります。
ただいま「緊急事態宣言」の発令中になっております。本来であれば外出を控えなければならないところでしたが、仕事となるとそうも言ってられません。
運転していてびっくりしたのですが、レジャーに向かうと思われる車で大渋滞でした。まあ確かに休日ではあったのですがそれにしても??と思うほどでした。
我々もこのようにネットをはじめとする各種媒体で情報発信をいたします。これはあくまでも自分たちの事業についてのものであって、ぶっちゃけ「営利目的」であると言われても仕方がないものです。しかし、お上の場合はそうではありません。それは人の命にも関わる大事な仕事になります。
1年前の緊急事態宣言時は国民皆が見えない恐怖に怯えていました。著名人の方々がお亡くなりになったりしたことも衝撃的でした。そういったこともあって人の流れも抑えられ、いわゆる「第1波」は比較的早めに収束したのでしょう。
今はどうでしょうか?どう考えても以前のような緊張感はないのではないでしょうか?
「自粛疲れ」とか「慣れ」と言われますがそれだけではないように思います。やはり行政側が「国民を納得させるような情報発信の仕方」をしていないせいではないでしょうか?
作家の池波正太郎は自書の中でこう書いています。
「人の世は白黒はっきりした物は少なく、むしろ灰色のみ多い」
世の中にはいろいろな事情を抱えた色々な人が様々な思いで行動しているということでしょう。となると、その行動を予測したり規制したりするのは至難の業です。欧米のように極端な強制力で押さえつけていないにもかかわらず、この感染者数や犠牲者の数はある意味驚異的に少ない。そういう意味では今の日本の状態は奇跡に近いです。
「どう言えば相手に伝わるか」考えて情報発信することは大事なことです。時に感情に訴えることも必要ですし、今回の場合は人の行動を抑制するための合理的な方法を提起することも重要です。この辺をすっ飛ばすと今に恐ろしい事態になりはしないか?
状況はまだまだ予断を許しません。
皆様もどうかお気をつけください。