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2025年10月18日スタッフブログ
目で見る・肌で感じる
お仏壇をネット購入される方も一定数いらっしゃるようです。画像や外寸、価格などを確認してポチッとすれば簡単にご自宅まで届くのですから便利なものだと思います。ただこれには一定のリスクが伴います。
お仏壇に限らず、そもそもネットショップの画像というのは「いかに見栄えをよく見せて訴求力を上げるか」の腐心をしているわけです。「あれ?なんか思ってたのと違う・・・」という場合もチラホラ。実は人間の視覚・嗅覚・味覚・触覚のような「感覚」はすごく鋭いんだと思うんです。それが画像で置き換えられるのにはもう少し時間がかかるんでしょうね。
ある自動車評論家の方がご自身のエッセイの中で「エジプトのピラミッドの内部に入り壁の岩を見て触った時に『この先には数千トンの重量があるのだ』ということが即座に実感できた。マンションのエントランスにある、岩を模した壁とは全く違う肌感覚があった。」とおっしゃってました。共感はできてもその感覚を何らかの方法で再現するとなるとこれは相当難しいものです。
さて、今も京都には数多くの観光客(おおよそ外国人が目立ちますが)がおいでになっています。一昔前は「爆買い」などという損得勘定が絡んだ目的で来る人が多かったようですが、今は「体験型観光」なのだそうです。いろいろな場所に行ってその雰囲気を楽しむとか何らかの実体験をしてみる=ワークショップでのものづくりや観光地の散策・食事を楽しむなど・・・ということでしょうか。
でもね。
ちょっと気になるのはそこで彼らが一様にやっているのは「スマホでの撮影」。錦市場で食べ歩きも結構ですが、なぜか購入した商品と自分の顔を自撮り。鴨川べりで自撮り。自撮りでないと思ったら「ろおじ」の真ん中に立ちはだかって長時間ムービー録画。そういえば過去には、商用で車を進めていたら外国人観光客と思しき人に「邪魔だからバックして!」的なジェスチャーをされたこともありましたっけ(笑)。
まあしかし、自分の感覚や記憶よりも画像を信用するのはいかがなものかと思います。その場所を本当に楽しむには自分の五感をフル活用することが必要になりますしそれなりのエネルギーも使います。でもその方が振り返ってみたときにいろいろな思い出がよみがえるような気がします。そのきっかけとしての画像であれば全然問題ないと思うのですけどね。