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2024年4月13日スタッフブログ

自分の目で見る

情報番組を見ておりますと「きれいな桜の撮影」とか「こんな画像がイケてます」的な話題がしばしば出てきます。この時しかない風景を自分の手元に置きたいという願望は誰でも持っているものです。京都市内の観光地でも一様にスマホを構える方々の姿が見られますし、ここ数年でスマホの性能も格段に上がったのだなぁ・・・と感心しきりです。

画像関係の出力機を設計をしておりましたが、その当時に「プロ向け」の高精細という位置づけだったビット数が今や汎用のスマホで普通以下なのですからすごい時代になったなぁと思います。

そこまでわかっていながら、自分自身は業務以外で画像を撮影~保存することがありません。むしろキリがついた仕事の画像を必要ないものをどんどん消去していってます。画像そのもので残さなくても業務ごとに作成したドキュメントには当然画像が入っていますので、いざというときには確認が可能です。

常日頃から「自分の目で確かめる」ことを心がけておりますが、「画像」というものが時に弊害として立ちふさがることがあります。「撮影してるから大丈夫だろう」と思って再度確認してみたら必要な情報が取れていなかった・・・ということもしばしば。何かの本で読んだことがあるのですが、建築科の学生を連れて桂離宮を訪れた教授曰く「撮影ありきの学生はその作業に必死で、建築物の本質を覚えていなかった」とのこと。画像というのは切り取られた部分的なものですし、俯瞰的な洞察力が生まれないのかもしれません。

こんなことを言うようになったのも年を取ったせいですかね(笑)。最低限、時流に追随していこうとは思いますがスマホに関連する独特な文化を理解するのはそろそろ限界かもしれません。